●制作・著作:蒔苗昌彦(担当講師)
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90秒。その間にすべては起きた・・・
●セクション1
断片的な事実。これらの組み合せで全体を想像しても、結局、真実は仮説のまま、人々の記憶から薄れていく。だが、いつの日か、形を変えて突如出現し、無数の命を一瞬にして奪う・・・。
大事故のニュースを突きつけられ、はたと予感が符合した。昨年、せめて叔父に調査結果を直ちに報告しておくべきだった。
いや・・・。
たとえ報告したとしても、刑事という叔父の立場上、あの時点ではどうしようもないはずだ。昨年の出来事はあくまでも労働災害で、それは労働基準監督署の管轄内なのだから。
唯一の救いは、ついさきほど、被災者A子さんのご両親から手紙が届き、彼女が年内にも結婚すると知ったことだ。嬉しかった。彼女はその強い意思で降りかかった災害を乗り越え、幸せを掴んだのだ。A子さん、おめでとう。ほんとうにおめでとう!
これで区切りがついた。関係者の名を伏せさえすれば、あの労災について詳述してもよかろう。
しかし、その場所は隠しようがない。無数の死者を出した先週の事故と同じ、巨大遊園地「バトル遊園」の人気コースター「バトルジェット」だからだ。それだけに、これから語る事に対する社会的責任はとても大きいと思う。私の名は隠すまい。樫見 亜子である。当時は、親戚や友人のみならず、上司となってまだ一ヶ月たらずの課長にも、アッちゃんと呼ばれていた。
(続く)
「事実」の定義:出来事を構成する事象。
「真実」の定義:出来事の核心。
「仮説」の定義:仮定した条件を前提に成り立つ説。
架空の国「デニリア共和国」においては労働者の保護のため、労働基準監督署が存在する。 では、現実の国“日本”においては、労働者保護のための公共機関としてどのような機関が存在するのか?・・・ いずれ研究課題として出ますので、心の準備を!
「遊園地」と「テーマパーク」を混ぜこぜに捉えている人も多いが、これらは別の事業形態。「テーマパーク」は一つのテーマの下に全体の調和を取るが、「遊園地」にはこの制約はない。遊園地≠テーマパークなのである。
この物語はあくまで架空(フィクション)である。だから主人公が自ら名を名乗ったところでそれも架空である。しかし、いったん現実の社会となれば、責任ある言動をするためには実名を名乗るべき。匿名は、生命・財産等の安全が脅かされる可能性がある場合等に、限るべき。
【注】アンダーラインのある箇所は、架空の物語を前提とした仮想の記述です。
※当小説本文中に登場する人物・団体・施設・出来事等は全て架空(フィクション)です。
●制作・著作:蒔苗昌彦(担当講師)
・小説式eラーニング「ヒューマンエラー」日本語版version1.00 セクション1
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