フリーWebカレッジ 組織運営学科 コース000030
「職務分掌マニュアルのあり方・作り方・使い方」 担当講師:蒔苗昌彦


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 パート2「職務分掌マニュアルの作り方」 


●セクション4「作業項目一覧表の“空表”の作成」

4‐1「基本的な考え方」

当コースにおける職務分掌マニュアル作成法では、職務遂行の上で行う諸々の仕事をすべて「作業」と呼ぶことにする。その上で、一つの職務に含まれる「作業」の項目をすべて洗い出し、「作業項目一覧表」を作る。それを見れば、その職務がどのような作業で構成されているのか把握可能となる、一枚の表だ。

作業項目一覧表」は、職務の作業目録と呼ぶこともできる。また、職務明細書と呼ぶこともできるだろう。

ところで、なぜ、ステップ2では「作業項目一覧表」そのものを作らず、わざわざ一つのステップを踏んでまで、その“空表”を作ることに専念するのか?

実は、旧来の一般的な職務分析手法で、「先に作業の洗い出しを行い、後からそれを分類する手法」がある。いわば「帰納法」的なやり方であるが、その手法だと、いざ分類する段になって分類しきれず、プロジェクトが頓挫してしまう場合がある。
たしかに、「分類」という行為は、本来、先に分類する対象の要素が列挙されていることが前提となる。
しかし、当コースの職務分掌マニュアル作成法においては、職務に精通する人の知識や勘を頼りに、まずは「分類」を仮定してしまうという方法を、あえて取るのだ。いわば「仮説の上の演繹法」である。

このやり方は、一見、「作業項目一覧表の“空表”を作る」という余計なステップを踏んでいるように思えるかもしれない。
しかし、これによって、やみくもに作業を洗い出してみたものの、その後どう分類していいか困ってしまう、という事態を避けることができるのだ。急がば廻れ。焦らずに、まずはこの空表作りをじっくりと行って頂きたい。

4‐2「毎日型か年度型か確認する」

作業項目一覧表の“空表”を作るためには、作業項目の分類を、仮設定する必要がある。
そのためには、まず、その職務が「毎日型職務」か「年度型職務」のいずれに該当するか判断する。これら二つの用語は、当コース進行上の便宜的な用語である。

「毎日型職務」とは、「一日のうちに済ませなければならず、かつ、毎日行わなければならない作業が主となる職務」を指す。
ただし、そういった職務でも、週、月などの周期で行う作業も、いくつか含まれていると思う。が、そうであっても、「一日のうちに済ませなければならず、かつ、毎日行わなければならない作業がほとんど」であれば、「毎日型職務」として扱う。

「年度型職務」とは、「年度計画に基づき、半期、四半期、月、週、毎日の作業へと落とし込んでいく職務」を指す。そういった職務でも、毎日や、週、月などの周期で行う作業が、多く含まれていると思う。しかし、年度計画から落とし込んでいく以上は、半期以下の周期で行う作業がどれだけ多く含まれていても、「年度型職務」として扱う。

4‐3「作業の分類」

職務に精通した人の頭脳の中には、すでに作業項目が列挙されているとの前提に立ち、それらを分類し、名称をつける。分類は、作業の周期の分類と、作業の特性の分類、2種類を行う。※1 つまり、マトリクスの分類となる。

実際には、「毎日型職務」「年度型職務」ともに、サンプル(右欄のクリックによって表示)にあるような分類が適用できるか否か、検討して頂きたい。適用できる場合には、これを参考に最適な表を作ることをお勧めする。

4‐4「作業項目一覧表の“空表”の作成」

空表は、年度型職務については、作業周期の観点からの分類を横列とし、作業特性上の分類を縦列するのがお勧めである。毎日型職務については、その職務次第だが、年度型職務に同様に周期が横列、特性を縦列とするようにしたほうが、両者を並べて比較するような場合に見やすいだろう。

どのような職務であっても、 なるべく一枚の表にすること。文字を小さくしてでも、一枚の表にする。なぜならば「一枚で概要が掴めること」が、作業項目一覧表の利点だからである。そのため、空表の段階では、ゆとりを持って、A3サイズで作ること。作業項目洗い出しが終了した結果、あまりにも余白が大きい場合のみ、小さいサイズへの変更を検討して下さい。

4‐5「プロジェクトの進捗に応じた調整」

作業項目の分類」とはいえ、この段階では、仮設定となる。だから、ステップ3で作業項目の洗い出しを進める中、分類項目の追加、統合、削除が起こる可能性はある。が、だからといって、この“仮設定”をいい加減にすることなく、職務に精通した人の頭脳にある情報を基にしっかりと分類して欲しい。この“仮設定”の的中度合いが高いほど、後のステップがスムーズに進むことになる。

なお、“仮設定”をどれだけ真剣に行っても、いざ作業項目洗い出しの段になって、どの欄にも入らない作業項目が出てくる可能性は残されている。また、その職務本来の役割ではないものの、現実には行わざるをえない作業項目が出てくる可能性もある。その場合の受け皿として、縦列に、「その他」欄を設けておく。<次セクションへ続く>

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●制作・著作:蒔苗昌彦(担当講師)

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※1:
正確には「周期」も作業の特性のうちだが、あえて独立して扱う。したがって、ここで言う「作業特性」は、「周期以外の特性」という意味になる。