人事制度の構築と運営の方法」(MM式チームワーク主義育成型人事制度 フリーWebカレッジ


フリーWebカレッジ 組織運営学科 コース000070「人事制度の構築と運営の方法」 担当講師:蒔苗昌彦


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<パート4>

●セクション2「考課結果通知(いわゆるフィードバック)

考課結果は、本人に通知すべきか・否か? (つまりいわゆるフィードバックはすべきか・否か?)

私は、通知すべきだと思う。ただし、通知が可能な仕組みとなっている人事制度でなければ通知しようがない。だから、「考課結果通知が可能な仕組みとなっている人事制度」という前提での、「通知すべき」との判断となる。

では、なぜ、「考課結果通知すべき」と私は判断するのか?

もちろん当コースが述べる人材育成主義の人事制度においての話となるが、「本人の努力がどの程度評価されたのか本人へ伝えてあげることにより、次期の努力を促すことができるから」と判断していることがその理由である。

では、なぜ、「本人の努力がどの程度評価されたのか本人へ伝えてあげることにより、次期の努力を促すことができる」と私は判断するのか?

実は、その理由はあまり積極的な理由ではない。「伝えてあげない場合、自分の努力が足りたのか否か分からず戸惑ってしまい、次期の努力にむけた意欲が減退する人が出ててくるから、そうした人をなくすために伝えてあげるべき」というもの。いわば逆説的な理由である。

できることならば、「伝えることで、誰しも意欲倍増!」と言ったぐあいに頼もしい見解を示したいものだが、それは嘘になるだろう。やはり、低い評価を受けた人の中には、自分が低い評価であったことを知って、次期の意欲が減退してしまう人もいるものだ。しかし、低い評価であったことを知った人でも、中には、謙虚に反省して次期の努力をする人もいるだろう。「なにくそ!」とばかり頑張る人もいるだろう。

つまり、考課結果の通知に対するリアクションは多様であり、多様ゆえ百パーセントのプラス効果を保証できるものではない。だからこそ、上述にて、「実は、その理由はあまり積極的な理由ではない」と正直に述べたのである。

しかし、繰り返し述べるように、当人事制度はいわゆる正社員のための制度ではあるものの、「管理職・監督者、もしくはその予備役もしくはその候補者、もしくはいずれそうなるよう努力義務がある者として雇用」した社員・職員のための制度である。たとえ低い考課結果だろうと通知を受けて意欲が減退してしまう人では、努力義務を果たすことが期待できない。謙虚に反省して次の努力をする人や、「なにくそ!」とばかり頑張る人であってこそ、「管理職・監督者、もしくはその予備役もしくはその候補者、もしくはいずれそうなるよう努力義務がある者として雇用」したかいがあるというものだ。だいたいそうしたガッツにも期待して、長期雇用フルタイム時給労働者、臨時従業員、パートタイマーに比べたらずっと高い賃金を払うのだから、一時的にめげたとしても立ち直って次期の努力をしてもらいたい。その努力ができないのであれば、そもそも考課がないか、あったとしても賃金への反映度合いが極めて小さい長期雇用フルタイム時給労働者、臨時従業員、パートタイマーへと雇用区分変更して頂くほうが、本人のメンタルヘルスの上でよいと言える。もちろん、低い評価を受けることのないと予想する会社へ転職することも、本人のメンタルヘルスの上でよいと言える。

以上、考課結果通知の可否について厳しい考えをくどくど述べた。しかし、なんていうことはない。前パートまでに解説した当人事制度の仕組みは、本人に考課結果を隠そうとしても隠せない、いわば自動ディスクロージャー型の仕組みとなっている。だから、当人事制度を実施することの前提に立てば、考課結果通知するか・否か?という問い自体が不要である。

ただ、社員・職員各人が、制度の仕組みから自分の評価を汲み取り、上司や会社から直接通知されることはなかった・・・といった事態を避けるべきであり、それゆえ、考課結果通知の可否を一応は論じておこうと思った次第である。

あくまでもとりあえず当人事制度の仕組みを前提とした話だが、平易な言い方をすれば、「どのみち本人に分かってしまうのだから、先手を打って知らせてしまおう」とも表現できる考課結果通知論である。

ちなみに、私が人事制度を本格的に研究しようと思った元々の契機は、以前に正社員として勤務していた会社が考課結果を本人に隠す人事制度となっていたものの、しかしいくら隠そうとしても、実際には誰だって自分の評価は気になるから、いつのまにやら社員の間に、もらった賞与の額から逆算して考課結果を知る手順が密かに広まり、蔭で喜んだり落胆したりしている様子を見た事にある。このような契機のせいもあり、「どのみち本人に分かってしまうのだから、先手を打って知らせてしまおう」とも表現できる考課結果通知論となったわけである。

が、冒頭に述べたように、通知が可能な仕組みとなっている人事制度でなければ通知しようがない。そのため、当人事制度はそうした仕組みとなっている次第である。

なお、通知のタイミングと通知の仕方は、「管理職用・人事制度運営マニュアル」と「人事担当者用・人事制度運営マニュアル」に記載される。

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●制作・著作:蒔苗昌彦(担当講師)

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