セクション4

■セクション4
対策投資効果(費用対効果)」

ヒューマンエラーに限らず、いかなる問題であっても、無条件で最高の対応ができるのであれば、ユートピアが出現する。しかし、現実には、予算にも時間にも労力にも制約があるため、対策投資の効果(費用対効果)についても考慮せざるをえない。

では、対策投資と効果についての判断の目安はどのようなものか?

ヒューマンエラーも準ヒューマンエラーも、その他の問題と同じ目安で構わない、と私は思う。

したがって、コース000500「問題解決の共通ステップ」にも記載した次の考え方を参考にして頂きたい。

それは、

対策のために必要な時間や人手、予算等を総合したいわば「対策投資(a)」の規模が、この投資によって得られるであろう効果の度合い(b)と、社会的責任の大きさ(c)を合わせた分より小さいと思われる限り、どこまでも対策を打つ、という考え方である。

この考え方を便宜的に計算式のようなイメージを用いて表現すれば、

a⊆(b+c)と判断される限り、どこまでも対策を打つ。(つまり、aが、bとcを合わせた分よりも、少ないか、同じと判断される限り、どこまでも対策を打つ)ということになる。

なお、対策を打つためには、それ以前に原因究明が必要だが、原因究明においても経費・時間・労力がかかる。aの記述を、「原因究明投資」に入れ替えれば、上述の考えはそのまま原因究明の目安にもなると思う。

いずれにしても、ヒューマンエラー・準ヒューマンエラーは「問題」であり、「問題」である以上は、コース000500「問題解決の共通ステップ」も参考となることが多いはずである。ついては、当コースの後、ぜひ受講してください。


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