■セクション2「注意叱責の模擬プレイ・状況設定の確認」 人材育成の観点からの部下の叱り方
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いかがでしたか?
もう一度、次の文章にて状況設定を確認した上で、模擬プレイをして下さい。※1
なお、模擬プレイには時間制限はありません。時間の長さも含め、あなたがベストと思う方法にて注意叱責してみてください。
<以下、模擬プレイのための状況設定確認文章>
あなた(仮名:小林課長)は、直属の部下(仮名:山田君)に、ある報告書をワープロで作成し、来週月曜日までにお客様へ提出しておくよう指示しました。その報告書とは、あなたと山田君が、コンビ(二人三脚)を組んで一緒になって行なっている特別受注のオリジナル仕様の機械制作の長期プロジェクトに関する、非公式の進捗状況報告書です。
山田君は、そのプロジェクトについては、あなたと全く同じ量の情報を持っています。
長期プロジェクトなので、今までも何回か、進捗状況報告書を作成し提出してきましたが、これら過去の分はすべて、あなた自ら作成していました。もちろん、過去の全ての報告書は、コンビ(二人三脚)を組んでいるわけですから、山田君にもその都度渡してあり、山田君もしっかりと読んでいて、進捗状況についての認識・進捗報告の要領を十分に共有化できていました。
そこで今回(4回目)の進捗状況報告書は、山田君がいずれ一人でもプロジェクト管理ができるように育成しようとあなたは考え、山田君に、報告書の作成とお客様への提出を、自分が一切介在せずに、全面的に委任してみることにした次第です。
なお、初めて体験させることだけに、山田君が期待レベルに至らない報告書を作って提出してしまう可能性はあると、あなたは思っていましたが、もし期待レベルに至らない場合でも、当報告書は会社間の正式な文書交換ではなく、担当者間の日常連絡の一環として行われている程度の扱いなので、大きなトラブルにはならず自分の責任の中で事態を収拾できると、あなたは確信していました。もちろんのこと、山田君が嘘やデタラメを書くような人間ではないことについては、確信していました。
このような背景で、進捗状況報告書の作成とお客様への直接提出を指示したところ、山田君は、あなたの指示を喜んで了承しました。
さて,指定した期限の日の朝です。あなたが出勤したら、あなたの机の上に、山田君がお客様へ提出したと同じと思われる報告書がのっていました。報告書にはメモ書き等は一切付いておらず、ただ報告書だけが乗っていました。
あなたは、さっそく、その報告書を読みました。そうしたら、ワープロ入力上の誤字が多くみつかりました。全体的な内容としては、制作進行状況が上手に表現されていました。しかしながら、誤字が多くあるため、せっかくの報告書が雑な印象を与える懸念がある、とあなたは思いました。
そこで山田君へ、お客様へすでに提出したのか否か確認しようと思いましたが、よく考えてみたら、その日は彼は有給休暇を事前申請していて予定通り休んでいることを思い出しました。
仕方なく、あなたは自らお客様へ電話をかけ、報告書が到着しているか否かを確認したところ、宅配便で朝一番に届いていることと、まだお客様は読んでいないことが、確認できました。あなたは、そこで、お客様へ誤字があることを伝えお詫びをし、修正した報告書を明日届けることで了解を得ておきました。
さて、翌日、山田君は出社してきました。あなたは、山田君を呼び、育成のための注意叱責をして下さい。
【状況設定文は以上】
それでは、注意叱責の模擬プレイを開始して下さい。
※1:
知人に、部下の山田君の役を演じてもらって下さい。
山田君を演じる人は、どのような叱り方をされても、抵抗せずにいて下さい。